信頼性試験前後の観察

概要

信頼性試験から前後観察まで一貫したサービスを提供しております。信頼性試験終了からタイムラグなくウィスカやハンダの異常有無の観察をお請けしています。

信頼性試験・観察環境

ウィスカ観察は試験を行う環境や観察する際の環境がとても重要です。ウィスカは非常に繊細で振動や空気の揺らぎなどにとても敏感なため、1フロアに試験槽、保管庫、観察場所を集約しウィスカが脱落・消失しない環境にしています。
試験槽、保管庫、観察場所を同一フロア内に集約しています
各種試験槽
低温低湿保管庫
観察室

各種試験槽

低温低湿保管庫

実体顕微鏡

マイクロスコープ

 試験終了、作業終了
 後は 専用の保管庫に入れ
ます。
 実体顕微鏡
 外観検査でウィスカの
 有無の判定を行います。
 マイクロスコープ
 ウィスカが検出されたら
 マイクロスコープで観察
 ・測長を行います。
サンプルの破壊や汚染を防止するマスク、静電手袋、リストストラップ、帽子などを着用しています。

観察の流れ

観察の流れ

観察例 ウィスカ観察

ウィスカとは、金属表面からひげ状に結晶が成長したもので、ZnめっきやSnめっきで発生する事がよく知られています。またウィスカは電子部品の端子から発生するものと思われがちですが、平面部品のめっき表面からも発生します。 ウィスカが発生し成長するとデバイスや機器類の故障に繋がる可能性があり、電子部品の信頼性に大きな影響を与えることから、ウィスカの観測、評価は重要です。 ウィスカは必ずしも直線的に成長しないために3次元的な長さを測定する事が重要です。また微細なウィスカを見逃さないよう2人の作業員でのダブルチェックを行います。
■ウィスカの発生メカニズム

・内部応力型 Cu母材にSnめっきの構造で室温で発生する事例が知られています。
 これはCuの拡散がSnめっき粒界に沿って進む事でCu6Sn5がめっき粒界で選択的に
 合金化し、それによって発生した応力でウィスカが成長するメカニズムや、Snの再
 結晶化に伴う応力発生のメカニズムなどが報告されています。

ウィスカ発生メカニズム1

・温度サイクル型 母材とめっき材との線膨張係数差により温度スイングを繰り返す
 ことで応力が発生する  メカニズムが報告されています。

ウィスカ発生メカニズム2

・腐食型 母材やめっき材など材料の腐食に伴う体積膨張にて応力が発生するメカニ
 ズムが報告されています。

ウィスカ発生メカニズム3

・外部応力型 コネクタの勘合などによる外部からの応力により発生するメカニズム
 が報告されています。

ウィスカ発生メカニズム4

・エレクトロマイグレーション エレクトロマイグレーションによる原子の移動で
 応力が発生するメカニズムが報告されています。

ウィスカ発生メカニズム5



3次元測長まで支援致します

信頼性試験から観察、3次元測長までご支援します

観察例 はんだクラック観察

3種類の信頼性試験後のはんだ接合について断面観察を実施。初期品と試験後品を比較しクラックの発生有無及び金属間化合物層の成長具合を確認しました。 ■Pbフリーはんだ実装品(Sn/Ag/Cu合金はんだ)を3種の信頼性試験に投入
試験条件
①TC試験(温度サイクル) 125°C20分/−40°C20分/1000cyc
②HT試験(高温放置) 150°C/1000時間
③TH試験(温度湿度) 85°C/85%rh/1000時間

各試験の主な目的と断面観察結果
熱機械的な負荷によるはんだの疲労不良を確認する試験 ※はんだクラックが発生しています。
②HT試験 高温耐久性やはんだの接続性を確認する試験 ※はんだクラックは発生していません。
③TH試験 耐湿性を確認する試験 ※はんだクラックは発生していません。
①TC試験初期品 TC試験初期品 ①TC試験1000cyc
※クラックあり
TC試験1000cyc
②HT試験初期品 HT試験初期品 ②HT試験1000cyc
※クラックなし
HT試験1000cyc
③TH試験初期品 TH試験初期品 ③TH試験1000cyc
※クラックなし
TH試験1000cyc

観察用断面の作製方法

観察、分析・解析を行う上で断面作製を行う場合がありますが、目的や材質、構造に見合った方法の選択、或いは組み合わせて加工することで信頼性の高い結果を得ることが可能です。 断面の作製方法について、加工方法、加工条件、そららのメリットとデメリットについてまとめました。

■主な断面作製方法
 
機械的加工 主な観察用途
 機械研磨  最も一般的で耐水研磨紙等で研磨する方法 OM、LM、SEM
 ミクロトーム  ダイヤモンドナイフによる切削加工による方法     OM、LM、SEM、TEM 
イオンビーム加工
 FIB  Gaイオンを照射し微小領域を加工する方法 SEM、SIM、TEM
 イオンポリッシャー(C P)  Arイオンを照射し広範囲に加工する方法 OM、LM、SEM
■加工条件
機械研磨
ミクロトーム
FⅠB
C P
機械研磨
ミクロトーム
FIB
CP
 加 工 源 SiC、
ダイヤモンド等研磨材
ガラスナイフ
 ダイヤモンドナイフ 
Gaイオンビーム  Arイオンビーム 
 加 工 幅
(横幅)
ほぼ資料の幅
(数㎝~10㎝が一般的)
<数mm 10~100μm程度 <4mm
 加 工 深 さ
(縦幅)
材料の厚み <数mm 20~50μm程度 <1mm
 ピンポイント 
精度
1μm~ 数μm~ <1μm 20μm

Q&A 環境・信頼性試験前後の観察

Q.断面作製(断面観察前処理)も対応可能でしょうか?
A.対応可能です。弊社では機械的加工やイオンビーム加工等、目的や材質、構造に見合った方法を選択し、ご提案させていただきます。
Q.非破壊での観察も可能でしょうか?
A.対応可能です。弊社ではX線CTやSAM(超音波顕微鏡)等で、半導体パッケージ、基板、電子部品等の内部状態を非破壊にて観察が可能です。

その他、ご質問等ございましたら、お気軽にお問い合わせください。