切断(破壊)後の電子顕微鏡観察不要

概要

現在注目されている新技術TSV/TGVで使用される微細穴の内径や形状を製品をカットすることなく精密に測定する装置です。

微細穴三次元形状測定機とは

微細穴三次元形状測定機とは、微細な穴(径:Φ10μmから / 深さ:300μmまで)の内径・深さ・壁面粗さ等を「世界で初めて非破壊での測定を実現した装置」です。
半導体分野においては、日々進化を遂げる3D実装プロセス技術開発におけるTSV,TGV等の数μmの微小穴で深さ数100μmの高アスペクト比の微細穴形状の測定や側壁の粗さを精密に測定するニーズが増加しています。
従来技術での微小径穴の測定では、測定対象物を切断しその切断面を電子顕微鏡などで測定する「破壊検査」が一般的です。
破壊検査では、手間がかかる・測定対象物は利用できない・穴内部形状の全てを測定できない・・などのデメリットのほか、切断時に応力がかかることで測定対象の状態が変わってしまう可能性もあります。

本微細穴三次元測定機は「量産測定用:FP3030」と「開発用途の廉価モデル:FP-Labo」をラインナップしており、いずれのモデルも先端球Φ5μmの極小検出スタイラスを用いて微細三次元形状を非破壊で測定します。

測定方法の概略

微細穴三次元形状測定機 FPシリーズの特徴

・微細穴Φ10μm~ / 深さ~300μmの形状(穴径、深さ、内壁面粗さ)を測定可能
・高分解能:10nm、低測定圧:0.1μNに加えて繰返し測定精度:10nm以下を実現
・真円度、円筒度、平面度、直角度などの解析も可能
・測定レシピ作成により測定の自動化も可能

用途 ・ 分野

・TSV(シリコン貫通電極)、TGV(ガラス貫通電極)の側壁粗さ測定
・燃料噴射ノズルやインクジェットノズルなど各種ノズルの内部形状測定
・微細加工金型の形状測定
・MEMSデバイス、医療、光通信など

事例

測定ニーズの一例

装置ラインナップ・スペック

開発測定用:FP-Labo               量産測定用:FP3030
装置サイズと測定ストロークを抑えたモデル    量産時の測定に対応するモデル

項  目 仕  様 項  目 仕  様
最小測定穴径 Min Φ10 μm ステージサイズ 310mm×310mm 八角形
測定軸(X/Y/Z) 測定ストローク(X/Y/Z) FP-Labo : 200×200×200μm
FP-3030 : 300×300×300μm
最大サンプルサイズ 310mm×310mm t=45mm
傾斜ステージ(X/Y) 傾斜ストローク ±1.0mm / 150mm
測定分解能 10nm 回転ステージ 回転角 ±10°
ピエゾ分解能 2nm 分解能 ±0.007°
測定力 1pN以下 スタイラス交換 自動チェンジャ有
繰り返し精度 10nm スタイラス ストッカー 4本
移動軸 (X/Y) 移動ストローク(X/Y) 305mm×370mm 観察用カメラ 2カメラ
(正面20° 65°)
駆動速度 Max 30mm/s 装置重量 1,500kg
スケール分解能 0.04μm 装置寸法 除振台含む (W) 1,750mm

(D) 1,310mm

(H) 1,750mm
位置決め再現性 ±3μm
移動軸 (Z) 移動ストローク(Z) 52mm
駆動速度 Max 2mm/s 装置内清浄度 ISO : クラス5
(米国連邦規格:クラス100)
スケール分解能 0.001μm