プラズマ装置とは

プラズマ装置とは

概要

プラズマ装置メーカーとして、30年を超えるプラズマ装置の販売実績を持つヤマトマテリルが、
半導体製造で活躍する真空プラズマ装置・大気圧プラズマ装置それぞれのプラズマ発生原理や違いに加え、
ドライクリーナー、エッチング、アッシングなど処理目的に応じたプラズマ装置選定ポイントを解説します。
当社の豊富なプラズマ装置ラインナップも紹介しています。

プラズマ装置とは

そもそも「プラズマ」とは、固体⇒液体⇒気体に続く第4の物質と呼ばれ、電気的に中性である気体に対して
エネルギーを与えることで、正電荷と電子(負電荷)に分離させた状態のことを言います。
プラズマは化学反応を起こし易い性質を持っており、反応ガス(気体)にアルゴンや酸素などを用いることで
材料表面の濡れ性向上や有(無)機物の除去を、薬液を使わず完全ドライな洗浄方法で実現します

プラズマ装置とは、表面改質による印刷やコーティング材の密着(親水)性の改善で、生産性や品質を大幅に向上させる装置です。
特に半導体分野における電子デバイス製造工程のアッシングやエッチングを始めとして、
電子材料やレンズ、医療処置具、チューブ、粉体洗浄など様々な分野でその役割が注目されています。
例えば、シリコンウエハのレジスト剥離やポリイミドの残渣除去、表面改質や濡れ性の向上、
ICパッケージの組立工程における有機物・無機物の除去等でその優れた特性をいかんなく発揮しています。
このように洗浄用途でも用いられることから「プラズマクリーナー」とも呼ばれます。

当社 ヤマトマテリアルでは、ドライクリーナー、エッチング、アッシングなど各処理目的に応じて、
大中小さまざまなバッチサイズの真空低温プラズマ装置を始め、様々な価格での帯装置の取り揃えや
ローダー、アンローダ付きプラズマ自動機や大気圧プラズマ装置など豊富なラインナップがございます。
30年以上のプラズマ装置販売実績と経験から、御要望に応じたカスタム仕様のプラズマ装置も提供します。

真空プラズマ装置 処理モード2種類:原理・特徴

プラズマ装置には、発生原理の異なる「真空(減圧)プラズマ装置」と「大気圧プラズマ装置」の
2種類に大きく分けられます。

真空プラズマ装置(プラズマクリーナー)には、2種類のプラズマ処理モードがあり、
ここでは各処理モードの使い分けや、仕組み・原理・特徴を説明します。

RIEプラズマ処理方式:アルゴンガスを用いた物理的なアタック処理
DPプラズマ処理方式:酸素ガスを用いた化学反応処理
 

①RIEプラズマ処理モード(物理的アタック):仕組・原理・特徴

反応ガスに主にアルゴンを用いるプラズマ処理モードです。
平行平板の電極構造を持つ減圧チャンバー内で、下部電極に配したワークへイオンの
物理的アタック力を利用する仕組みです。
大気圧から10Pa以下程度まで減圧したチャンバーに、 アルゴン原子を導入し20Pa位で高周波電力を電極間に印加すると
チャンバー内のアルゴン原子は高周波電力によって、アルゴンイオンと電子に電離し電子は軽くイオンより早く下部電極に到達、
下部電極にはマイナス電圧と同時にイオンシースが発生します。イオンはプラス電荷の為マイナス電圧の下部電極に引かれます。
イオンシースとは加速領域のため、アルゴンイオンが加速してワークにぶつかり、この原理で無機物・有機物を弾き飛ばします。​

② DPプラズマ処理モード(化学反応):仕組み・原理・特徴

反応ガスに主に酸素を用いるプラズマ処理モードです。
平行平板やバレル構造の減圧チャンバー内に配したワークに対して化学反応を利用して除去する仕組みです。
大気圧から10Pa以下位まで減圧したチャンバーに酸素分子を導入し80~130Paで高周波電力を電極間に印加すると、
チャンバー内の酸素分子は高周波電力によって電離されます。
この原理から、酸素原子(中性ラジカル)がワーク上の有機化合物との化学反応で二酸化炭素や水分子となり、
真空ポンプを通じて排気(=除去)されます。
化学反応を利用するため、無機物への処理には有効ではなく有機物に対して効果的なプラズマ処理になります。

大気圧プラズマ装置







 

真空プラズマ装置はその名の通り、減圧したチャンバーの中でプラズマを生成する方式です。
一方で、通常の気圧(常圧・大気圧)の中で電力を使って、気体を活性化させた状態を「大気圧プラズマ」と呼び、
この仕組みを利用して電気と圧縮エアのみでプラズマを生成させる装置が大気圧プラズマ装置になります。

真空プラズマ装置には、チャンバー内を減圧させるための真空ポンプが必要で、その分の設置スペースの確保が必要になります。
大気圧プラズマ装置は、プロセスガスと電源のシンプルな構成のため生産ラインへの組込みが容易というメリットがあります。
真空プラズマ装置における DPモード(酸素ガスを利用・化学反応) の原理と同様の効果が期待できます。
ワーク表面の汚染物質を、揮発性物質に分解反応による除去や、酸素を含む官能基に改質して材料表面を親水性に変化させます。
他にも表面の化学活性や特性の変化により、これまで接着や塗装が困難とされていた材料の表面を改質します。
大気圧プラズマ装置の詳細なスペック・説明については 大気圧プラズマ装置 AP-4500シリーズ を御覧下さい。

プラズマ装置のラインナップ

小型プラズマ装置   中型プラズマ装置   大気圧プラズマ装置   自動搬送プラズマ装置   内壁処理プラズマ

小型プラズマ装置

PIPI

PDC210

YSP1000B

PR510

プラズマモード:RIE
反 応 ガ ス:アルゴン
ステージタイプ:平行平板
ステージサイズ:130×130mm

・本体定価398万円の低価格機種
・卓上可能なコンパクトサイズ
・研究開発から少量生産に最適

プラズマモード:RIE(オプションDP)
反 応 ガ ス:アルゴン・酸素
ステージタイプ:平行平板
ステージサイズ:250×170mm

・DPモード(オプション)への
 切替も搭載可能
・実験から本格量産にも使用可能

プラズマモード:DP
反 応 ガ ス:酸素・窒素
ステージタイプ:同軸バレル型
バ レ ル サイズ :Φ300×L500mm

・6インチ
ウエハ50枚の一括処理
・SiCやGaN等の化合物ウエハの
 レジスト除去の他濡れ性改善等

プラズマモード:DP
反 応 ガ ス:酸素・窒素
ステージタイプ:バレル型
バ レ ル サイズ :Φ215×L305mm

・小型のバレル型プラズマ装置
・主に研究開発用途として

 ウエハのレジスト除去に最適

中型プラズマ装置
PDC510 V1000

プラズマモード:RIE / DP
反 応 ガ ス:アルゴン・酸素
ステージタイプ:平行平板
ステージサイズ:400×200mm

・様々なワーク形状に対応可能な
 中型サイズのチャンバー
・ガスも2系統で多用途に最適

プラズマモード:RIE / DP
反 応 ガ ス:アルゴン・酸素
ステージタイプ:平行平板
ステージサイズ:280×280mm

・フォトレジストの除去
・リードフレームの表面洗浄
・アンダーフィル材の濡れ性向上

大気圧プラズマ装置
AP-4500 AP500

インライン化が容易
無償デモも喜んで承ります

・塗装や印刷前処理
・難接着材料の接着性向上
・部品実装基板への防湿前処理
 (ESD対策ノズルによる)

平行平板型の大気圧プラズマ装置
長尺基板やガラスの濡れ性向上

・インライン化が容易
・濡れ性向上
・デモも承ります

減圧プラズマ装置 搬送付自動機
YSP300 YSP63FA YSP650W YSP68WL

枚葉式12インチウエハ(300mmウエハ)用のライトエッチング/アッシング用装置です マガジンtoマガジン式プラズマクリーナー 同軸型バレルアッシャー、等方性プラズマ装置。50枚のウエハを一括処理可能な同軸縦型プラズマアッシャー装置。 ウエハ枚葉式のプラズマ処理装置。搬送方式は大気搬送ロボット式もしくは、ロードロック式をご提供しております。
特殊プラズマクリーナー
チューブ内壁処理装置

容器やチューブなどの内壁へ
プラズマ処理が可能です(特許技術)
デモも承ります

Q&A よくあるご質問

Q.プラズマ装置を探しています。
A.プラズマクリーニング装置からエッチング装置やアッシング装置まで幅広く扱っております。WEBに掲載している製品はあくまでも一例です。ご要望の対象ワークや用途に合わせて、カスタマイズいたしますのでお気軽にご相談ください。
Q.プラズマ装置を購入したいのですが、代理店はありますか?<
A.特にございません。ご指定があれば柔軟に対応いたします。
Q.プラズマ装置の価格はいくらですか?<
A.価格はお気軽に御問合せ下さい。
Q.プラズマ装置はいつから販売してますか?
A.1998年から半導体組立工程の用途として販売しております。
Q.デモは行えますか?
A.はい。随時受け付けておりますので、お気軽にご相談ください。
Q.デモ機はどの様なものがありますか?
A.平行平板電極 ステージサイズ 130×130(PIPI)、250×170(PDC210)、410×210(PDC510)、300×300、600×600、φ200㎜石英チャンバー 6インチ、8インチウエハ用(縦型石英チャンバー)をご準備しております。
Q.デモの場所はどこですか?
A.装置により異なります。東京都内、東京都青梅市、大気圧は南アルプス市か新大阪です。
Q.デモ機はどの様なものがありますか?
A.平行平板電極 ステージサイズ 130×130(PIPI)、250×170(PDC210)、410×210(PDC510)、300×300、600×600、φ200㎜石英チャンバー 6インチ、8インチウエハ用(縦型石英チャンバー)をご準備しております。
Q.デモ機の高周波出力は何ワットまでですか?<
A.チャンバーサイズ別に異なりますので、お問い合わせください。
Q.プロセスガスは何を持っていますか?<
A.アルゴン、酸素、CF4、アルゴン水素をご用意しております。
Q.カタログに載っている装置だけですか?<
A.お客様のご要望に合わせたカスタム装置も得意としております。
Q.プラズマの処理効果を確認する手段はありますか?<
A.濡れ性を確認する接触角計と膜厚計をご用意しております。
Q.設備導入時に高周波利用申請の届け出は必要でしょうか?<
A.申請は必要です。申請書類をご準備いたしますので、管轄の総合通信局へご提出ください。
Q.自動機は掲載されているだけですか?<
A.標準機として掲載しております。ご希望に合わせた数々のカスタム装置を設計製造致します。
Q.チャンバーを温調したいのですが、可能ですか?<
A.ラバーヒーターでの温調やチラーによるステージ温調も可能です。
Q.ウエハアッシング装置を更新したいのですが?<
A.手動タイプの横型の石英チャンバー同軸タイプと縦型石英チャンバーの自動機がございます。標準は6、8インチ用です。
Q.枚葉式の装置は扱っていますか?<
A.6、8、12インチ用が標準になります。大気搬送ロボット、ロードロック方式をお選びいただけます。レジストのアッシングやポリイミドのスカム処理などでご利用いただいております。
Q.打合せは可能ですか?<
A.可能です。東日本は本社(東京)、中京、関西、四国、中国地区は大阪支店、九州地区は九州営業所(福岡)からお伺いさせて頂きます。